私の自宅は文京区にあり、お寺や学校がたくさんあるので、春に桜があちらこちらで見られるのだが、秋にはイチョウが見事な秋を演出してくれる。私が子供の頃の秋の楽しみの一つに「銀杏拾い」があった。風の強い日の翌朝に近所の友達とビニール袋と割り箸を持って近所の大学やお寺に出かけるのだ。ご存知だとは思うが、見た目は黄色いさくらんぼのような銀杏の果肉の部分はとんでもないにおいがする。素手で触ると人によってはかぶれてしまいとんでもないかゆみに襲われることがある。そのための割り箸である。銀杏拾いにも一応のルールがあって、その場で銀杏を取り出し、果肉部分を放置するのは厳禁である。そのルールを破ると出入り禁止になることもある。家に持ち帰ったら、庭に穴を掘り、そこに「黄色いさくらんぼ」のまま放り込み、水をかける(果肉部分を早く腐らせるため)、そして埋めて何日かたったら掘り出して、ゴム長で踏みながら果肉を取り除き、よく洗ってから天日乾燥して、出来上がり。今では、お酒のつまみによく注文するようになったが、私は銀杏が大きらいであった。あのにおいが思い出される上に、子供のわたしにはとても美味しいとは思えなかった。なぜそんなに嫌いな銀杏を拾いに行ったのであろうか。多分、子供心に両親が喜んで食べてくれるのがうれしかったのだ。寒い夜、茶碗蒸し入っている銀杏を食べて、ふと子供時代のそんなことを思い出した。
銀杏について調べてみた。咳止めや滋養強壮等の効能があるのだが、その一方食べ過ぎは厳禁とのこと。特に幼児には注意が必要、真偽の程はわからないが15個の銀杏を食べた2歳の子供が死亡したという報告もあるという。ご用心を。
銀杏は食べ過ぎないけど、他のものを食べ過ぎてしまう・・・・・
そんな私は食べ過ぎガッパ。