砂糖は食品の中の一調味料で、「甘くする」ために使用する。これが一般的な砂糖の認識かと思います。しかし、砂糖はそれだけではありません。砂糖の様々な力をご存知ですか?ここでは砂糖の持つ力の一部を砂糖業界誌より抜粋し簡単に紹介いたします。
1)まずは、食品の保存性を高めることは、ご存知かと思います。ジャムや羊羹が腐りにくいのは、砂糖がカビや微生物の増殖を防いでいるからです。これは砂糖が食品の水分を抱え込み微生物がその水分を利用しにくくなるからです。
2)続いて肉などを軟らかく煮る力があり、下ごしらえの段階で肉に砂糖をもみこんでおくとやわらかく煮えます。これは肉の組織の中に砂糖が入り込みたんぱく質と水分を結びつけるためです。
3)また、メレンゲやホイップクリーム、アイスクリーム、マシュマロなど卵白を泡立て、その泡を固定して作りますが、これにも砂糖の力が発揮されています。卵白のたんぱく質の水分を砂糖が抱え込み、泡を安定し泡同士のくっつきを抑え決め細やかな状態を保ってくれます。
4)さらにパンをふっくらさせるために、砂糖が酵母を発酵させるための餌になっています。酵母が砂糖を栄養にして発酵し炭酸ガスを生成しパンの生地を膨らませます。ふわっとしたパンには砂糖が欠かせません。
5)カラメルやべっこう飴、ドロップ、キャラメル、フォンダンなど、砂糖を煮詰める温度により違った形に生まれ変わります。190℃でカラメル、165℃でべっこう飴、145℃でドロップ、115~121℃でキャラメル、107~115℃でフォンダン、など温度の微妙な差で出来上がる形が違ってくる性質を使って、その他にも色々な製品が出来上がります。
6)あんこや羊羹、餅菓子、すし飯が硬くならないのにも砂糖が関係しています。これらの食品は、加水加熱することにより、でん粉質が糊化状に変わります。これを放置すると粘り気が低くなり固化します。ご飯やもちを放置すると硬くなるのはこのためです。砂糖はこのでん粉質の変化を遅らせる効果があり、さまざまな食品にこの特性が生かされております。
7)カスタードプリンをおいしくしていることにも、砂糖が関係しています。卵の白身を加熱すると白く固まりますが、砂糖を加えて加熱すると凝固温度が上昇し固まりにくくなります。これは、砂糖がたんぱく質の加熱凝固を抑えているからです。
このように、砂糖は普段「ダイエットの敵」であったりしますが、以外に生活を取り巻く食品に力を発揮している万能調味料であることを、少しでも知っていただければ幸いです。
砂糖屋けんちゃん