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2005年07月25日
夏の思い出
夏になると、思い出す味がありますか?スイカ?カキ氷?私の場合、子供たちが夏休みになり、セミの鳴き声が聞こえ始めると、祖母と「すいとん」を思い出すのです。
「すいとん」は、小麦粉に水を加えて練り混ぜたものを適当な大きさにして汁に入れて煮たもので、若い方の中にはご存じない方も多いと思います。夏に全然似つかわしくない「すいとん」が私にとって、なぜ、夏になると思い出す味かというと、今は亡くなってしまった祖母が毎年8月15日(終戦記念日)に食事もままならなかった戦争時代の苦労を忘れず、食べ物に感謝するという思いを込めて、作ったのが「すいとん」だったのです。
真夏の暑い日、祖母を中心に両親や叔母たちは戦争中の苦労話を時には涙を浮かべながら、あるときには笑いながら、私はその会話を聞きながら(話の内容はほとんど覚えておりませんが)そして、いつも変わらないのは大汗をかきながら食べたのを思いだします。とはいっても、両親たち曰く、戦争当時のものとは別物で、良質の小麦粉と玉子で作った団子のほかにたくさんの野菜と肉まで入った「豪華版」だったそうです。
今と違って一般家庭にはクーラーなんてなかった頃の思い出です。
西田照孝
投稿者 diary : 2005年07月25日 00:00