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2005年04月14日

2005 春の一人旅

城崎の外湯めぐりと但馬海岸の旅
私の趣味は旅行です。特に一人旅が好きです。今回は関東の人があまり行かないような場所へ旅をしようと思い、北近畿方面に決めました。

 新幹線「のぞみ」で京都まで行き、そこから山陰線特急「きのさき」に乗り換え、城崎温泉に向かいました。城崎温泉は今から1400年前にコウノトリが湯に浸って傷を癒していたことから発見された温泉で、志賀直哉の小説「城の崎にて」の舞台にもなりました。

 さて城崎温泉駅を降りて温泉街の中心を歩いていくと土曜日とはいえ、春休みが終わった昼時であるにも関わらず多くの観光客が訪れていました。一般的に温泉地というと年配の方が多いというイメージがありましたが若い女性グループやカップルが多かったのには驚きでした。
 またこの城崎温泉の特徴は宿泊しなくても銭湯と同じ感覚で温泉に入れる共同浴場が数多くありそれをこの地では「外湯(そとゆ)」というそうです。
 私はまず「鴻の湯(こうのゆ)」に行きました。ここは庭園風の露天風呂があるのが特徴で真昼間の露天風呂を味わいました。次に「御所湯(ごしょのゆ)」に行きました。ここは南北朝時代に書かれた歴史物語に後堀河天皇の姉安嘉門院が入湯したという記録が残っており、良縁成就に御利益があるとのことです。

 温泉の後はいよいよ食事です。城崎をはじめ兵庫県の日本海側はズワイガニが名物で旬の冬には主に関西方面からカニを求めて多くの観光客が訪れるそうです。
私は駅前の「大黒屋」というカニ料理店で「カニにぎり」を注文しました。紅ズワイガニの身をのせたにぎり5カンにかに味噌の軍艦巻きが1カンがついていました。旬からは少しずれてしまいましたが味は格別でした。


 城崎を後にして次の目的地は但馬海岸沿いの香住です。当日香住の海岸沿いの民宿に投宿していました。この地を選んだ理由として、海岸の景色が美しいことと夜になると沖合いにイカ漁の漁り火がきれいなことから是非一度行ってみたいと思ったからです。
 香住駅を降りて海岸沿いの道を歩いていくと至る所にカニの販売所がありましたが、シーズンオフなのかどこも閉まっていました。途中、民宿までの道を畑仕事をしている人に尋ねたところ「そんなに時間かからないから車で乗っけていってやろうか」といわれましたが、仕事を中断させるのは悪いと思い、自分で歩いていくことにしました。
1時間ほど歩いて民宿に到着。期待にたがわず部屋は日本海の美しい海岸の眺めがきれいで夜になると数は少ないもののイカ漁の漁り火も見ることができました。


 翌朝、宿のご主人に最寄の無人駅まで送ってもらい、プラットホームに立って列車を待っていた時、自分の乗る予定の列車が強風の為運転を見合わせており、復旧のめどがたたないという放送が流れました。私は城崎から帰りの特急と新幹線の指定席をとっていた為非常に焦りました。無人駅なので駅員に尋ねる訳にもいかず、仕方なく近くのホテルのおかみさんに隣の香住駅に連絡して状況を訊いてもらいましがが依然運転の見通しがたたないとのことでした。城崎までバスの便はなく、唯一の交通機関はタクシーのみでした。タクシーだと8000円ぐらいかかってしまうので銀行に行かないと財布にお金がないのでどうしようと思っていると城崎方面で同じ列車を待っていた熟年夫婦が「城崎に行くのなら一緒に相乗りしましょう」と誘ってくれました。割り勘にすれば何とか間に合いそうだと思いお言葉に甘えて便乗することにしました。城崎温泉駅に着き私が割り勘分のお金を差し出そうとすると、「いいよ、いいよ」といってくれました。でも誘ってくれたのにただ乗りは悪いと思い再度お金を渡そうとすると「別にかかったお金は変わらないのだからいいよ」といってくれました。
おかげで何とか帰りの特急の出発時間に間に合い、無事帰路につくことができました。
 人々の優しさに感謝、感謝の思い出に残る旅行になりました。

阿部 慎太郎

投稿者 diary : 2005年04月14日 00:00