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2005年04月27日
故郷には、誰にでも自慢できる郷土料理が一つや二つあるものですが、今日お話しする食べ物は、人によっては、食欲を低下させる一つかもしれませんが、処変われば品変わる・・の一品として聞いていただきたのです。
祝い事に、今も昔も良く使われる物に「赤飯」が有りますが、私の郷里では、作り方は同じでも、中に入れる豆が、違うのです。関東では一般的に「ささげ」と言う種類の豆を使いますし、関西では、「普通の小豆」を入れるそうです。
ささげは、皮が厚く、蒸しても煮ても、豆が裂ける事が少ないのですが、小豆は、皮が薄い為、腹が直ぐ裂けてしまいます。
余談ですが、小豆に臍(へそ)が有るのをご存知ですか?
小豆を良く見ると、側面の白い部分が目に付きますが、正にここが腹で、中心に穴が空いているのです。肉眼ではなかなか確認出来ませんが、人間で言う臍と同じで、ここから養分を吸収しているのです。煮えにくい小豆は、この穴が塞がっている場合があり、水が入りにくい為に煮えないのです。
関東は昔から武家社会の色が強い土地柄の所為か、切腹を連想させる小豆は好まれず、もっぱら、ささげを使うそうです。その点、関西は、切腹などには拘らず、安い小豆を使ったと何かの本に書いて有ったと記憶しています。丁度、切腹への連想は、他に、鰻の裂き方(腹側を裂くか、背側を裂くか)にも良く現れているようです。
さて、いよいよ私の故郷の赤飯の紹介です。
なにを隠そう、私の故郷、北海道では、赤飯に「大正金時」それも、甘納豆を入れるのです。北海道全てとは思いませんが、北海道各地の友人に確認したところ、同じ答えが返ってきたので、この食べ方は多くの道民に指示されていると思います。
赤い餅米の中に、大きな顔をして、居座る金時豆は、存在感十分で北海道の大地を思わせます。
タップリのごま塩を振りかけて食べる甘辛い赤飯は、とても美味ですよ。我が家の子供達も、赤飯には大正金時の甘納豆いり赤飯が大好物で、他は手も出しません。東京に住む友人に話すと、気色悪いと言って、聞きたがらないのですが、機会が有ったら是非甘辛い赤飯を召し上がっては・・時間があれば、何故小豆の甘納豆ではなく、大正金時なのかも調べたいと思っております。
柳谷 健雄
投稿者 diary : 2005年04月27日 00:00